
走行時や駐車時に付着してしまう「鉄粉」は、目では確認しづらいですが、普段から大気中に浮遊しています。
愛車に付着した鉄粉を放置すると、サビになってしまいます。
鉄粉を取り除くためには、「鉄粉取り」という作業が欠かせません。
しかし、いざ鉄粉取りを行おうとすると、「正しい鉄粉取りの方法は?」
「どのような鉄粉取りの道具を選べば良いの?」などの疑問が生まれることでしょう。
そこで本記事では、鉄粉が付着する原因や鉄粉取りに失敗しやすい理由、正しい鉄粉取りの方法などを解説します。
鉄粉取りに必要な道具や選び方、おすすめの鉄粉除去剤などについても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.鉄粉取りとは
2.鉄粉取りに失敗しやすい理由
3.正しい鉄粉取りの方法
4.鉄粉取りに必要な道具
5.鉄粉除去剤の選び方
6.鉄粉取りにおすすめの鉄粉除去剤2選
7.鉄粉取りに関するよくある質問
8.まとめ

鉄粉取りとは、名前の通り「鉄粉を除去する」ことです。
洗車してもボディの表面に黒や茶色の粒子が残っている場合や、触るとザラザラしている場合などは、鉄粉が付着している状態と言えます。
鉄粉が付着したばかりであれば、洗車で洗い落とせます。
しかし、付着してから時間が経過している場合は、専用の鉄粉除去剤を使用しなければ落ちません。
鉄粉取りをせずに放置すると、塗装を侵食してボディが腐食したり、塗装がはがれる等、塗装面に悪影響を及ぼしてしまいます。
鉄粉は目に見えないだけで日常的に舞っており、常に付着するリスクがあります。
ブレーキをかけたときに発生するブレーキダストにも鉄粉が含まれているため、交通量が多い道路を走行すると、より鉄粉が付着しやすくなります。
また、特に鉄粉が付着しやすい場所は、以下の通りです。
● 鉄道沿線やレールの下の道路
● 高速道路の高架下の道路
● 鉄工場や溶接工場内や近く
上記を走行する機会が多かったり、近くに駐車したりしている場合は、鉄粉が付着しやすい環境と言えます。
鉄粉が付着していると、ボディがザラザラした感触になったり、洗車時の水切れが悪くなったりします。
付着してすぐは洗車で落とせますが、黒色や茶色の粒子が残っている場合は、専用の鉄粉除去剤を用いて鉄粉取りをしなければいけません。
鉄粉が付着したまま放置すると、雨によって鉄粉が酸化し、サビが発生します。
サビは少しずつ塗装面を侵食し、最悪の場合ボディの一部が錆びてしまう可能性があります。
そのため、付着した鉄粉はそのままにせず、しっかり「鉄粉取り」を行うことが大切です。

鉄粉取りに失敗しやすい理由は、以下の2点です。
● 直射日光が当たる場所や気温が高い時の施工
● 強引に鉄粉取りを行ってしまう
それぞれ、詳しく解説します。
鉄粉取りは、直射日光が当たる場所や気温が高い時に行うことは避けましょう。
特に、炎天下の中で作業すると、液剤が塗装面で乾いてしまいます。
コーティングや塗装にダメージを与えて、シミになってしまうかもしれません。
そのため、できるだけ涼しい時間帯や日陰で作業することがおすすめです。
サビで塗装面に固着した鉄粉は、手持ちの鉄粉除去剤を使用しても、綺麗に除去できない可能性があります。
しかし、落とそうとしてゴシゴシ強くこすったり、硬い道具で引っかいたりすると、塗装面を傷付けてしまう原因となるため、注意が必要です。
除去できなかった鉄粉がある場合は、無理に自分で取り除こうとせず、より強力な鉄粉除去剤を使用しましょう。
それでも鉄粉が落ちなかった場合は、カーケア専門店やディーラーなどの専門業者に除去を依頼してください。

続いて、正しい鉄粉取りの方法を紹介します。鉄粉取りを行う場合は、以下の流れで行いましょう。
①シャンプー洗車をする
②鉄粉除去剤をスプレーする
③鉄粉除去剤が反応するのを待つ
④水で洗い流す
⑤再度シャンプー洗車をする
それぞれ、詳しく解説します。
鉄粉取りにとりかかる前に、まずは車全体にホースなどで水をかけ、付着している汚れや砂などを洗い流してください。
汚れや砂が付着していると、スポンジで洗ったときにボディが傷付く可能性があります。
続いて、バケツの中でカーシャンプーを泡立てて、スポンジで車全体を優しく撫でるように洗いましょう。
洗い終わったら、シャンプーをしっかり水で流してください。
シャンプーが残ると、シミになる可能性があります。
続いて、鉄粉除去剤をスプレーします。
スプレーの前に、直射日光が当たっておらず、塗装面が熱くないことを確認しましょう。
液剤が乾いてしまうとシミの原因になるため、スプレーはたっぷりかけて、塗装面で液剤が乾かないように注意してください。
また、鉄粉除去剤の使用方法は、商品によって異なります。
そのため、使用する前に取扱説明書をしっかり確認することが重要です。
鉄粉除去剤をスプレーして2,3分が経過すると、液剤が鉄粉に反応し、紫色に変化します。
待ち時間の目安は、使用する鉄粉除去剤によって異なるため、取扱説明書を確認しましょう。
鉄粉除去剤が反応するのを確認したら、たくさんの水を使って洗い流しましょう。
特に、パーツの隙間に液剤が溜まりやすいため、さまざまな角度から水をかけてください。
水を流してもボディーがザラザラしていたり、大量の鉄粉が紫色に反応したりした場合は、一度の施行では落としきれていない可能性があります。
不安な場合は、もう一度鉄粉除去剤をスプレーして反応を待ち、水で洗い流しましょう。
最後に、もう一度シャンプー洗車をすることが大切です。
水で洗い流したのみでは、鉄粉除去剤が落としきれていない場合があります。
洗車したあとは、ウォータースポットの発生を防止するためにも、拭き残しがないように注意してください。

鉄粉取りに必要な道具は、以下の3点です。
● 鉄粉除去剤
● グローブやマスクなどの保護道具
● マイクロファイバークロス
それぞれ、詳しく解説します。
鉄粉除去剤は、車のボディやホイールに付着した鉄粉を、化学反応で溶解、浮き上がらせて取り除くための専用クリーナーです。
研磨剤不使用のため、塗装面やコーティングを傷付けにくく、スプレーして洗い流すだけで手軽に除去できます。
鉄粉除去剤は、大きく2つのタイプに分けられます。
1つは、除去剤を塗布すると紫色に変化するタイプです。
2つ目は、無色のまま溶解するタイプです。
一般的には、紫色に変化するタイプは中性、無色のタイプは酸性のものが多い傾向です。
鉄粉取りを行う場合は、グローブ(手袋)やマスクなどの保護道具を着用する事をおすすめします。
保護道具を装着せずに鉄粉取りを行うと、鉄粉や化学薬品が目や皮膚に付着し、健康被害につながる可能性があります。
保護道具を着用し、換気の良い場所で施工しましょう。
マイクロファイバークロスとは、髪の毛よりも細い「マイクロファイバー」と呼ばれる化学繊維で織られた布です。
繊維の隙間が多い構造のため、吸水性や速乾性などに優れています。
マイクロファイバークロスを選ぶ場合は、吸水性が高く、ある程度厚みがあるものを選びましょう。
また、使用する際は優しく丁寧に拭くことを心がけてください。
強い力で拭くと、ボディに傷を付ける可能性があります。

続いて、鉄粉除去剤の選び方を紹介します。鉄粉除去剤は、以下の項目を参考にして選びましょう。
● 車の色に合わせて選ぶ
● 除去力で選ぶ
● 口コミから選ぶ
それぞれ、詳しく解説します。
鉄粉除去剤は、車の色に合わせて選ぶ必要があります。
鉄粉除去剤の中には、塗装色によって使用できないものがあるためです。
化学反応を起こして変色したり、塗装面に悪影響を与えたりする可能性があります。
車の色ごとに適している鉄粉除去剤は、以下の表の通りです。
| 分類 | 塗装色 | 特徴 | 適した鉄粉除去剤 |
| 淡色車 | ・ホワイト ・シルバー |
・鉄粉が目立ちやすい ・傷は目立ちにくい |
・比較的除去力が強いもの |
| 濃色車 | ・ブラック ・紺 ・グレー |
・鉄粉は目立ちにくい ・傷が目立ちやすい |
・比較的除去力が弱いもの |
淡色車は傷が目立ちにくいため、除去力が強いものであれば、どの鉄粉除去剤でも使用できます。
一方、濃色車は傷が目立ちやすいため、スプレータイプの鉄粉除去剤を使用すると良いでしょう。
鉄粉除去剤は、除去する範囲よりも「どれだけしっかり鉄粉を落とせるか」という除去力で選ぶことが大切です。
付着してから時間が経った鉄粉や、塗装に固着して落としにくい鉄粉を落とすには、除去力の強い鉄粉除去剤を選ぶと効率よく作業できます。
一方で、軽度の鉄粉やメンテナンス目的で使用する場合は、塗装への負担が少ないマイルドタイプを選ぶと安心です。
鉄粉除去剤を購入する前に、商品の口コミをチェックしましょう。
鉄粉除去剤は、高価なものから安価なものまで、幅広く存在しています。
鉄粉除去剤は高価なものが必ず優れているわけではなく、安価でも十分な除去力を持つ商品があります。
購入してから「思っていた商品と違った」「高価なのに使いづらかった」など、後悔しないためにも口コミを確認することは必須です。
鉄粉取りにおすすめの鉄粉除去剤は、以下の2点です。
● モンスター メルトアイアン
● モンスター ベリーベリーラッシュ
それぞれ、詳しく解説します。
内容量:500ml
特徴:
・鉄粉を溶解する「チオグリコール酸」と泡立ちの良い「陰イオン+非イオン系界面活性剤」を採用し、強力な鉄粉と汚れを落とす
・ブルーベリーの香りで使用中の不快な臭いを軽減し、洗車を快適にする
・専用のスプレーボトルにつめかえて、鉄粉取りスプレーとしても使うことが可能
・2~3倍に希釈して使うこともできる
価格:2,680円
🔍【ユーザーの声】
「鉄粉に反応して色が変わり分かりやすいです!取れの方も大満足でした。」
「スプレーボトルも付属されており、使う側にとって嬉しいです。」
「鉄粉に反応して色が濃くなり、洗車したときにはザラツキがなくなっていました。」
内容量:700ml
特徴:
・ボディーやホイール表面の鉄粉を、驚くほど溶かして落とす鉄粉除去クリーナー
・中型車約2台分の大容量タイプで、大型車にもたっぷり使える
・フルーティーな「ブルーベリー」の香りで、鉄粉クリーナー特有のイヤな臭いを軽減
価格:1,980円前後
🔍【ユーザーの声】
「容量が多く、助かりました。また購入したいです。」
「先日使わせていただきとてもいい感じでした。何と言っても匂いがとても良くて感激致しました。」
「ボディのザラザラがなくなりました。目に見えないけど鉄粉除去して良かったです!」
鉄粉取りに関するよくある質問は、以下の3点です。
● コーティング施工車でも鉄粉取りできる?
● 鉄粉取りの理想的な頻度は?
● 鉄粉取りにデメリットはある?
それぞれ、詳しくお答えします。
コーティング施行車でも、基本的に鉄粉取りは可能です。
ただし、粘土タイプを使用すると、コーティング被膜が削れてしまう可能性があります。
そのため、粘土タイプの鉄粉除去剤はコーティングを剝がす予定の時や、スプレータイプの除去剤で除去できない場合での使用をおすすめします。
鉄粉取りの理想的な頻度は、車を保管している環境や運転する頻度などによって異なりますが、基本的には6ヶ月に1回程度行いましょう。
高速道路を利用する機会が多い場合や、線路沿いに駐車している場合などは、鉄粉が多く付着する傾向があるため、3〜4ヶ月に1回程度の施工がおすすめです。
鉄粉取りのデメリットは、落とそうとしてゴシゴシ強くこすったり、硬い道具で引っかいたりするとボディに傷が付く恐れがあることです。
自分で鉄粉取りを行う場合は、力強く行うのではなく、優しく丁寧な作業を心がけましょう。
また、鉄粉除去剤の成分によっては、ボディを痛めてしまう可能性があります。
鉄粉除去剤を購入する前に、しっかりと成分を確認することが重要です。

走行時や駐車時に付着する鉄粉は、放置すると雨によって酸化し、
サビが発生しますがサビは少しずつ塗装面を侵食し、最悪の場合ボディの一部が錆びてしまうかもしれません。
そのため、付着した鉄粉はそのままにせず、しっかり「鉄粉取り」を行うことが重要です。
鉄粉取りを行う場合は、直射日光が当たる場所や気温が高い時の施工は避け、鉄粉取りを行わないように注意しましょう。
鉄粉取りに必要な鉄粉除去剤は、車の色や除去力などから選ぶことが大切です。
また、鉄粉除去剤だけではなく、グローブやマスクなどの保護道具や、マイクロファイバークロスなども用意してください。